10月31日(水曜日) 水道局の決算質疑
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 先週のことですが、公営企業決算特別委員会で、私は水道局の国際貢献事業を中心に質疑を行いました。
 以下、当日質問した全文です。「A」は理事者(水道局の部長以上の答弁者)答弁のですが、これについては、後日公開される正式な会議録に記載されます。それから、茶色の部分は答弁を受けてのコメントのようなものです。
 また、今日はすべての質問文を読んでいただきたいということで掲載したのではありません。私たち都議会議員が委員会などでどんな質疑をしているのか、それを知っていただくために口語体で載せました。ご理解をいただければ幸いです。

Q1決算審議に当たり、水道局の国際協力事業について何点か質問します。
その質問に入る前に、今月の2日にプレス発表になった、「タイ王国首都圏水道公社との無収水対策事業の実施に関する覚書の交換について」ですが、当該事業について、今月2日現地時間午前10時から契約を交わす予定だったが、それが延期されたと一部報道されました。
 この水道事業は国際的に高い評価を得ている東京都の水道局としては、関連会社(TSS−TESCOバンコク社)が当事者となっているとはいえ、ビジネスとして国際社会に進出するのは初めての画期的なものと思っていました。
 また、私も正直なところ、“無収水対策事業”とは何のことかと理解できませんでしたが、調べてみると、古くなった水道管から水が漏れたり(いわゆる漏水)や、あまり日本では考えられませんが、水道メータを介さないで水を使う(いわゆる盗水)ことなど、アジア各国にとっては深刻な問題であることが分かりました。
 ですから、今回のタイにおける事業展開は、少し表現を拡大すれば、複雑な国際政治環境の中で、日本のアジア地域におけるステータスのアップという視点からもとても期待しているのですが、契約締結が延期されたとの報道について事実関係を伺います。

A
 そのようなことがあったわけですね。安心はしましたが、先ほど申し上げた通り、今回のケースは都の水道事業が実質的に初めて海外に進出するものですから、相手先の国や当該公社の期待は高いものがあると思います。それから、お答えは結構ですが、昨年、ベトナムでの浄水場建設に関する事業も展開すると発表されていますので、こちらの進展も期待しています。
Q2それでは、水道局の国際協力、とりわけ、アジア地域でのそれについて質問します。私は基本的に、東アジアにおける日本の立ち位置が領土に関連した諸問題などもあり、以前よりは難しくなっていると思います。一方、東南アジアや南アジアなどでは、日本の技術力や経済力に対する期待が過去よりも高まっていることも事実です。
 国際貢献、国際協力の方法、やり方はいろいろありますが、文字通り、それ自体ずばり透明感がある“水”に関する支援を行うことは、先ほども申しあけましたが、広くアジアにおける日本の地位を高めることにつながることは間違いないでしょう。
 あらためて考えてみても、国連加盟国190数カ国の中で、蛇口をひねればいつでも水が出てくる国は何カ国あるのでしょうか、また、その水が飲料水として飲める国は何カ国あるのでしょうか、さらに、その水が“美味しい”と感じられる国は本当に僅かでしょう。
 さて、わが国は今日まで発展途上国の経済的支援のため、政府開発援助(ODA)を通じて各国のインフラ整備を行ってきました。水道施設も無償資金協力や円借款の形で整備されています。そして、そのことは感謝されているのですが、残念ながら時間が過ぎると整備した施設などが使われなくなるという指摘もあります。
 理由はいくつかあると思いますが、人材の育成(いわばソフトの部分)が十分ではないように感じます。どのような分野でも、次世代を担う人材育成がおろそかになれば持続性が失われることから、人材育成の重要性を実感しています。
 そして、将来的には海外の水道事業が自立できるように、相手国の人材育成にしっかりと取り組む必要があると考えており、その意味では、水道事業運営のノウハウを持っている自治体、特に東京都の役割は重要でしょう。
 水道局が作成したこのパンフレットを見ると、詳しくは紹介しませんが、東京都水道局が国際協力を積極的に進めている実態が分かります。特に今日は世界各国での人材の育成についてお伺いします。
 まず、水道局ではこれまで、具体的にどのような取り組みをしてきたのか教えていただきたいと思います。

A
 水道局が長年、研修生の受け入れや職員を海外に派遣して技術指導を行い、各国で実績を上げたことを評価するものですし、特に個人的な思いもありますが、台湾の台北での交流を進めていることはとても良いことでしょう。ちなみに、私も都議会民主党日台友好議員連盟の秘書長として活動を続けていますが、更なる人材育成をお願いいたします。交流の輪を広げて下さい。
Q3次に少し具体的にお伺いします。これまで、世界の国の中でどのような国を対象として研修生の受け入れをなどを実施してきたのかです。また、直近の昨年度・平成23度の実績も合わせてお知らせください。
A
 5年間で100カ国以上、人数では2千人以上という数字は日本ではもちろん世界でも東京でなければできない規模でしょう。そして、冒頭にも申し上げたように、この国の首都である東京が広くアジア地域に貢献していることは、今日的な日本が置かれている状況から判断しても有意義なことです。
 ところで、水道局では監理団体である東京水道サービス(TSS)と連携して、アジア地域の各国を中心に新たな国際貢献をしています

Q4そのような環境の中で、東京水道サービス(TSS)は事業として人材育成の取り組みを行ってきたのか、少し具体的な事例を示してお答えください。
 私は相手の国の人材育成がなければ、真の意味での国際貢献にはならないと考えています。また、繰り返しますが、わが国の置かれている現状を見つめればなおさらでしょう。その視点に立てば、水道局やTSSが取り組んでいる人材育成の事業などは国際的な評価に耐えられるものと思います。
Q5次に研修などの実施にあたり、これまで、どのような技術やノウハウが求められてきたのか、必要性の高い事例をいつくか示してください。
A
 お答のように、各国が東京に期待するものが数多くあり広範囲にわたっています。また、その規模も大きいようです。まさに、東京水道が、発展途上国だけではなく、世界の国々での水道に関連する諸課題の解決に向けて頑張っていると感じます。
Q6最後の質問になりますが、長年にわたる人材育成という観点からの国際貢献では、具体的にどのような成果、実績があったのか、その国の名前を挙げて紹介してください。
A
 水道局の不断の努力により、各国に訓練センターができ、そこでまた、人材育成がされる、こうした取り組みは非常に有意義と思います。そして、冒頭で申し上げましたが、海外の水道事業が自立できてこそ、本当の意味での国際貢献と言えるでしょう。今後とも、水道局とTSSが良い意味で一体となり、その技術・ノウハウを海外で遺憾なく発揮した人材育成を通じて、世界の水道事情の改善に積極的に取り組み、少なくてもその分野では、東京都(国も)が、東京水道がそれらの国々からの感謝されるように要望しまして、私の質問を終わります。