東京都政、都議会、そして区政の情報誌として「都政研究」という月刊誌があります。
とても勉強になる雑誌ですが、特に都庁内の人事については、「誰がどうやって調べているのだろう」と思うほど詳細に“解説”されています。
さて、その都政研究の中に、「談論風発」というコーナーがあり、毎月のテーマで記事が記載されます。投稿しているのは東京都や23特別区の管理職が中心ですが、毎回都議会議員も一人登場します。
以上は私の文章が掲載された2009年5月号を紹介したときもので、その内容は
こちらをクリックしてご覧ください。なお、テーマは
「母のこと」でした。
ですから、私は2回目の登場ということになります。今回のテーマは
「お年玉の思い出」で、以下、その全文です。
新年早々、しめっぽい書き出だしとなりますが、お許しください。と申しますのも、正直、私自身は、皆さまに自慢できるようなお年玉の思い出はありません。もともと家は大変貧しかった上に、父親は長い闘病生活の末、若くして他界しましたので、本当に生活は厳しく、苦しかかったのを覚えています。子ども心にお年玉がほしいとか、ましてやお年玉の額に不満を抱くようなことは一切ありませんでした。
お年玉の心配よりも、親戚付き合いもあまりなかった我が家にとって、お正月を無事迎えられるどうかが一大事でした。とはいえ、サンタクロースが我が家に寄ってくれたことは一度もありませんでしたが、毎年お年玉だけは母が用意してくれました。とてもうれしかったのを覚えています。
結婚し、子どもにも恵まれ、今度は私が子どもたちにお年玉をあげる番になりました。ところがこの文章を書きながら、自分が子どもたちに上げた記憶がないことに気づきました。がむしゃらに働いていたからだと思うのですが、私にとってお年玉をくれるのは母親という意識が強く、妻に任せっきりだったことに今気づいた次第です。
息子たちもそろそろ結婚し、私にも孫ができるでしょう。今度は私から直接孫にお年玉をあげたいと思っています。もらう喜びから、喜んでもらうことへの移行。幸せなことですね。