9月17日金曜日、生活部会主催「感染対策の今日的課題」について、自治医科大学附属病院・感染制御部部長の森澤雄司先生から、お話を伺いました。議員には急な案内になってしまいましたが、当日は、議員10名、オブザーバー5名と会議室がいっぱいになり、皆さんの関心の高さが伺われました。
 今回は特に、「アシネトバクター・バウマニについて」、「インフルエンザ対策について」を中心にお話ししていただきたいとお願いしました。先生はそれらのことはもちろん、感染症そのものについてもくわしくお話しくださいました。
 紙面の都合上、詳細には書けませんが、先生は、「感染症は、菌を保持しても、症状が現れないこともあり(不顕性感染)、われわれが感染したというときは、症状が出た時を意味する。感染症の成立には、6つの要素があるが、それは、病原体、病原性、病原体の量、伝播経路、侵入門戸、感受性宿主である。感受性宿主とは、感染症をおこしやすい状態かどうかを意味し、入院患者さんなどはそれにあてはまるといえる」という話を分かりやすく、説明してくださいました。同じ菌でも、発症したりしなかったりするという話は、感染症対策が人によってその重要性の認識にばらつきができる可能性があると感じました。
 今回のアシネトバクター・バウマニは弱毒菌ですが、入院患者さんにとっては弱毒菌といっても生死にかかわるものになってしまいました。では、どのようにしたら防げるかということですが、先生によれば、感染症はさまざまな菌やウイルスがあり、それらを病院内でゼロにすることはほぼ不可能であるということでした。
 ゼロに限りなく近づけるためには、「菌は一人で歩いていかない」ので、医療従事者は手袋を処置の直前に使用する。手袋を着用しながら、カーテンやドアノブに触らない、PHSをもたない、キーボードやマウスに触らない、頭髪やマスクに触らない、歩き回らないこととし、処置後はすみやかに手袋を脱ぎ、手指衛生をはかるというものでした。実際自治医科大学病院では、医療従事者のコンピューターやさまざまなところに「NO 手袋!」とシールを貼り、注意を呼びかけているそうです。
 ただし、手袋やマスクの費用は病院の持ち出しとなっているそうで、その負担はかなり大きいとのことでした。ここは行政で何かできないかと思った点です。
 さらに感染症の専門知識を有する認定看護師を、病院内で発言する権限を持つ役職につけるのも一案だということでした。都立病院は、そのようなことを先駆的に行ってもいいかもしれないと思いました。
 また、イギリスでは、テレビのCMでくしゃみを手で押さえないとどのくらい感染が広がるのかをイメージした映像を流し、国民に感染症対策を啓発しているそうです。日本でも先生はそのアイディアを出されたそうなのですが、実際は厚労省のHPで動画として掲載されただけだったそうです。CMの値段は高いと思いますが、強毒型のインフルエンザがはやる前に、きちんとした対策を国民に知らせることは重要だと思いました。
 また、日本人は本当に罹患したほうが免疫がきちんとつくという考えの方が多く、また国もワクチン接種の対策に不備があり、先進諸国の中では、唯一はしかの流行をおこしています。インフルエンザ予防接種も接種できる人はなるべく接種し、流行をおこさせないようにすることは大事だということでした。
 大変多くのデータをわかりやすくお示しいただき、充実した勉強会となりました。最後に、医療の問題に限らないと思いますが、情報が偏在しており、偏った情報だけが流されることが多くあります。私たち議員は偏った情報に翻弄されることなく、正しい情報をきちんと把握し、都民の皆さんの健康を守ってまいりたいと思っています。

9月22日(水曜日)

感染防御勉強会

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