1月25日、都立大塚病院に隣接している東京都監察医務院へ視察にいってきました。監察医務院は、犯罪が明確に疑われる場合を除いた、死亡原因がよくわからないケースを検案したり、解剖し、死因を明らかにするところです。
 時代の流れで、高齢者の一人暮らしも増え、いわゆる孤独死を遂げられた方の検案もかなり増えたこともあり、昭和50年代から比べると、検案数は約2.5倍〜3倍増えているようです。
 特に夏場に比べると冬場の検案数は1.5倍あるとのことで、休む暇など一切なく、医師も臨床検査技師も監察医務補佐もみなフル稼動で働いていました。人員は今年度医師が1名増員されましたが、昭和50年代の体制のままで、人員不足は否めません。
 また、現在行政で予算を立てて、しっかりと監察医務業務を行っているのは、東京(23区)、大阪市、神戸市くらいだそうです。そして、以前には行政改革の対象となり、縮小・廃止の危機を迎えた時期もあったそうです。
 福永龍繁院長(写真)は、「監察医務は、『人が受ける最後の医療である』と位置づけられ」るとおっしゃっています。生前、最高の医療が施されるべきであるのと同時に、異常死については、最高水準の検案・解剖を行わなければならないということです。そして、「死者の尊厳を守ることは勿論だが、『一人の死を万人の生につなげること』、そのような医学的寄与のためにも、監察医制度は施行されている」と述べられていました。
 たしかに、解剖され、摘出された臓器は全て徹底的に調べられ、保存されるものは、大事に保存されていました。素人でよくわからないものもありましたが、医学的には、本当に重要な医学的資料が監察医務院の中には眠っているのではないかと感じました。
 監察医務院も、「持込検案」を平成15年に始めたり、昨年度は「web黒板」を始めたり、できる範囲で改革を行っています。再来年度にはいよいよ建て替えです。強毒のウイルス感染で亡くなった場合の検案・解剖に備え、そのような解剖の特別な部屋を設置したり、検案・解剖を待つご遺族の方の待合室を個室にするなど、ご遺族の心情に配慮した工夫もなされると伺いました。
 東京でも、現在区内にしか設置されていない監察医務院ですが、多摩地域にも開設を望む声が以前からあったようですので、私自身その点もよく考えながら、本件についてさらに調査・研究を進めてまいります。

1月28日(木曜日)

監察医務院視察

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