8月8日から開催される北京オリンピックは、是非成功してもらいたいと思っています。4年間、血を流すような練習を続けてきた選手の皆さんの努力を想えば当然のことです。
 また、隣国の中国とは経済産業を中心として、わが国は離れられない関係になっています。私たちの身の回りの多くの家電製品や衣料品の裏側には、“MADE IN CHINA”と書かれています。
 私も過去、中国の直轄市である天津市と上海市に行きましたが、どちらの市民とも友好的に交流をしてきました。嫌な思いなどまったくありませんでした。
 しかし、それらのことと、チベットに対する人権弾圧や大量虐殺について、中国の顔色を伺って積極的な発言を控えている政府の姿勢は問題です。(民主党小沢一郎代表の対応も同様です)
 先週、日本における聖火リレーのスタート地点であった「善光寺」がそれを辞退しました。朝日新聞は、「その“栄誉”を自ら手放した」と報道していますが、私はそうでなく、「“栄誉”は手放したかも知れないが、世界から賞賛される“名誉”を手にした」と考えています。
 聖火(ランナー)に対しての物理的な妨害はいけませんが、善光寺の“英断”は、先進諸国から高く評価されるでしょう。
 特に、弾圧の嵐の中、苦しんでいるチベット人は、「同じ仏教国である日本の代表的なお寺が勇気ある決断をしてくれた」と感激しているのではないでしょうか。
 善光寺の会見も絶妙でした。まず、「寺には国宝や文化財がたくさんある。信者も守らなければならない」と言ったあと、「中国政府のチベットへの対応は五輪憲章に違反している」と発表しています。
 日本の警察の警備体制は極めて優秀ですから、会見の前段の心配はほとんどありません。つまり、善光寺はきちんと体裁を整えて、中国の人権弾圧を批判しているわけです。当日は、チベット蜂起で殺された人たちを追悼する行事も行なわれるようです。
 最後に朝日新聞のもうひとつの表現についてです。「チベット問題での中国政府への批判も含んだ辞退の理由に対し、中国でも反日感情が高まる懸念も。」と書いています。
 まるで、中国でこれから反日運動が起これば、それは善光寺に責任があると言っているようです。また、反日感情の抑揚を期待しているようにも感じます。
 善光寺の天台宗と浄土宗の住職、僧侶の皆さん、圧力に負けないで頑張ってください。

4月21日(月曜日)

信州善光寺の決断

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